【HOKA クリフトン10 レビュー】2年ぶりフルモデルチェンジ!進化した定番モデルを徹底解説

ランニングシューズの世界で、その快適性と独特のライド感で多くのランナーを魅了し続けるHOKA(ホカ)。その中でも「迷ったらコレ!」と言われるほど、バランスの取れた定番モデルとして人気の「CLIFTON(クリフトン)」シリーズが、2年ぶりに待望のアップデートを果たしました。「クリフトン10」としてフルモデルチェンジを遂げた今作は、果たしてどのような進化を遂げたのでしょうか?

長年クリフトンを愛用してきたランナーはもちろん、HOKA初心者の方にも分かりやすく、その魅力を徹底レビューします。

はじめに:HOKA クリフトン10 とは?万能型ランニングシューズの最新作

HOKAのラインナップにおいて、クリフトンシリーズは常に「バランスの良さ」で評価されてきました。クッション性、軽量性、反発性といったランニングシューズに求められる要素を高い次元で融合させ、日々のジョギングからLSD(ロングスローディスタンス)、さらにはレースまで対応できる汎用性の高さが魅力です。

今回のクリフトン10は、まさにその中心的存在感をさらに強固にするフルモデルチェンジ。HOKAのシューズを初めて試すなら、まずクリフトン10から、と言えるほどの完成度を誇ります。

クリフトン10の注目すべき変更点:前作クリフトン9との比較

2年ぶりのアップデートとなるクリフトン10は、細かな改良ではなく、まさに「フルモデルチェンジ」。前作クリフトン9からどのような変化があったのか、主要なポイントを見ていきましょう。

ドロップ変更:5mmから8mmへ – 走行感への影響は?

最も大きな変更点の一つが、踵とつま先の高低差を示す「ドロップ」です。

  • クリフトン9:5mm
  • クリフトン10:8mm

意外にも、履いた瞬間の静的な感覚では、この3mmのドロップ差は感じにくいかもしれません。しかし、実際に走り出してみると、その違いが明確に分かります。特に、踵部分の厚みが増した印象を受け、ドロップ8mmになったことで、よりスムーズな重心移動を促し、自然と足が前に出るような感覚が得られやすくなりました。これは、ヒールストライク気味のランナーにとっては、より恩恵を感じやすいポイントかもしれません。

ミッドソールの進化:厚みとクッション性、そして安定感

HOKAの代名詞とも言える厚底ミッドソール。クリフトン10では、このミッドソールにも大きな進化が見られます。

  • ミッドソール素材: 前作と同じCMEVA(コンプレッションモールデッドEVA)フォームを採用。
  • スタックハイト(ソールの厚さ):
    • 踵部:42mm
    • つま先部:34mm (※前作クリフトン9は踵部37mm、つま先部32mm程度 ※実測値や公表値により多少の差異あり)

素材自体は前作を踏襲しつつも、全体的にミッドソールの厚みが増しています。 これにより、HOKAならではのクッション性をさらに感じやすくなりました。しかし、単に柔らかいだけでなく、「沈み込みすぎない」絶妙なクッション性が特徴。程よい反発も感じられ、足を守りながらも推進力を生み出してくれます。

さらに、HOKA独自のテクノロジーである**「アクティブフットフレーム」**が、足を包み込むようにサポートし、厚底ながらも抜群の安定感を提供。ブレの少ない走りを実現します。

アッパー:快適性を追求したエンジニアードジャガードメッシュ

アッパーには、伸縮性と通気性を両立した**「エンジニアードジャガードメッシュアッパー」**を引き続き採用。前作と比較して大きな構造的変化は感じにくいものの、触れてみると若干の柔らかさが増したような印象を受けます。これにより、足馴染みが向上し、長時間のランニングでも快適なフィット感が持続します。

重量と価格:気になるポイントは?

  • 重量: 約274g(メンズ27.0cmの場合)。前作クリフトン9が約248gだったため、若干の重量増となります。これは主にミッドソールのボリュームアップによるものと考えられ、クッション性向上とのトレードオフと言えるでしょう。しかし、実際に履いて走ると、HOKA特有のメタロッカー構造(つま先と踵部分が大胆に反り上がった形状)がスムーズな足運びをサポートするため、数値ほどの重さは感じにくいかもしれません。
  • 価格: 定価は前作よりも約1,000円ほど安くなっており、このクオリティアップで価格が抑えられているのは非常に魅力的です。

クリフトン10 詳細レビュー:実際に履いて感じたこと

ファーストインプレッションと走行フィール

足入れした瞬間は、前述の通りドロップの変化はあまり感じません。しかし、走り出すと、増した踵の厚みと8mmドロップが、より自然なヒールストライクを促し、スムーズな体重移動をサポートしてくれる感覚があります。

クッションはHOKAらしくしっかりと厚みを感じますが、フワフワしすぎるというよりは、衝撃を吸収しつつも程よい反発を返してくれる印象。メタロッカー構造による「転がるような」推進力は健在で、楽に足を前に運べます。

どんなランナーにおすすめ?

クリフトン10は、そのバランスの良さから幅広いランナーにおすすめできます。

  • ランニング初心者: クッション性と安定性が高いため、怪我のリスクを軽減し、楽に走る楽しさを教えてくれます。
  • 中級者~上級者のジョグ用: 日々のトレーニングやリカバリーラン、LSDなど、脚への負担を抑えたい時のジョグ用シューズとして最適です。
  • HOKAを初めて試す方: HOKAの「マシュマロのようなクッション」と「メタロッカー」という特徴をバランス良く体験できるため、最初の一足として間違いのない選択です。

クリフトン10と他のHOKAモデルとの比較

HOKAには魅力的なモデルが多数ありますが、特に比較検討されやすいモデルとの違いを見てみましょう。

vs ボンダイ シリーズ

  • ボンダイ: HOKAの中で最もクッション性が高いモデル。LSDやウルトラマラソン、あるいは普段履きとしての快適性を追求するならボンダイが適しています。クリフトン10よりもさらに厚く、ソフトな履き心地です。
  • クリフトン10: ボンダイほどのマックスクッションではないものの、十分なクッション性を持ちつつ、より軽快さや汎用性を求めるランナー向けです。

vs スカイフロー(旧リンコン シリーズの系譜)

  • スカイフロー: クリフトンとキャラクターが似ている部分もありますが、より軽量でスピードトレーニングにも対応しやすいモデル。クッション性も確保しつつ、反発性と軽快感を重視するならスカイフローも選択肢に入ります。
  • クリフトン10: スカイフローに比べると、よりクッション性と安定性に振ったモデルと言えるでしょう。日々のジョグや脚への優しさを優先するならクリフトン10がおすすめです。

まとめ:HOKA クリフトン10 は「買い」か?

結論として、HOKA クリフトン10は「買い」と言える素晴らしいアップデートを遂げたシューズです。

フルモデルチェンジにより、ドロップの変更、ミッドソールのボリュームアップなど、走行性能に関わる重要な要素が進化しました。特に、HOKAならではのクッション性と安定性はそのままに、よりスムーズなライド感を実現しています。

前作よりも若干重量は増しましたが、それを補って余りある快適性とサポート力、そしてHOKAの「他の良さが詰まっている」と感じさせる総合力の高さは、多くのランナーにとって頼れる一足となるでしょう。

価格が若干抑えられた点も嬉しいポイント。これからランニングを始めたい方、HOKAの世界に足を踏み入れたい方、そして日々のジョグシューズを探している経験豊富なランナーまで、ぜひ一度足を通してみてください。クリフトン10が、あなたのランニングライフをより豊かで快適なものにしてくれるはずです。

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