フルマラソンで自己ベストを更新したい、あるいは目標タイムを達成したいと考えたとき、最も重要な要素の一つが「ペース戦略」です。

「目標タイムを達成するには、1kmを何分で走ればいいの？」 「今の自分の実力だと、どんなペースで練習すれば効率的なの？」

そんなランナーの疑問に答えるため、この記事では2つの実用的な計算ツールを提供します。

1. 目標タイムから逆算する「マラソン ペース計算ツール」
2. 現在の走力を診断する「ダニエルズ式 VDOT計算ツール」

これらのツールを使って、レース本番のペースプランニングと、日々のトレーニングの質を科学的に高めていきましょう。

1. 目標タイムから逆算！マラソン ペース計算ツール

まずは、レース本番の戦略を立てるためのツールです。 目標とするフルマラソンのタイム（例: 3時間30分0秒）を入力するだけで、そのタイムを達成するために必要な「1kmあたりの平均ペース」と、「各地点の通過目安タイム」を瞬時に計算します。

ツールの使い方

1. 目標とするタイムの「時間」「分」「秒」を入力します。
2. 「ペースを計算」ボタンをクリックします。
3. 「1kmペース」と、5kmごと・ハーフ地点などの通過タイムが表示されます。

2. 今の実力を可視化！VDOT計算ツールで練習の質を高めよう

次に紹介するのは、日々の練習を最適化するためのツールです。 著名なコーチ、ジャック・ダニエルズ氏が提唱する「VDOT（ブイドット）」という走力指標に基づき、あなたの現在の走力をスコア化します。

VDOTは、レースの結果（走った距離とタイム）から算出される「最大酸素摂取量（VO2max）と同等の能力値」です。

このツールの最大の特徴は、あなたのVDOTスコアに基づいた5種類のトレーニングペースを自動で算出することです。

5種類のトレーニングペースとは？

• E (Easy) ペース: 楽なジョギング。疲労回復や基礎的な持久力向上に使います。
• M (Marathon) ペース: マラソン本番で想定されるペース。
• T (Threshold) ペース: 閾値（いきち）走。乳酸が溜まり始めるギリギリの強度で、持久力を効率よく高めます。
• I (Interval) ペース: インターバル走。VO2maxを高めるための高強度トレーニングです。
• R (Repetition) ペース: レペティション。Iペースより速く、ランニングフォームの改善やスピード強化に使います。

ツールの使い方

1. 最近出場したレースの「距離」（5km, 10km, ハーフ, フルなど）を選択（または入力）します。
2. そのレースの「時間」「分」「秒」を入力します。
3. 「VDOTとペースを計算」ボタンをクリックします。
4. あなたの「VDOTスコア」と、上記5種類の「トレーニングペース目安（/km）」が表示されます。

まとめ

この記事では、マラソンの目標達成をサポートする2つの計算ツールをご紹介しました。

1. ペース計算ツール: 「レース本番」の目標設定とペース配分のために。
2. VDOT計算ツール: 「日々の練習」の強度を最適化し、実力を高めるために。

「ペース計算ツール」で明確な目標を設定し、「VDOT計算ツール」で日々の練習の質を高める。この2つのアプローチを組み合わせることで、あなたの自己ベスト更新はより現実的なものになるはずです。

ぜひこれらのツールブックマークして、日々のランニングライフにお役立てください。