はじめに
今回は、ランニングパフォーマンスを向上させるための重要なトレーニング方法である「閾値トレーニング」について解説します。
閾値トレーニングは、ランナーが自身の能力を最大限に引き出すために、ぜひ取り入れていただきたいトレーニング方法です。
この記事では、閾値トレーニングの基本概念から、具体的なトレーニング方法、効果、注意点まで、ランナーが知っておくべき情報を網羅的にご紹介します。
閾値とは?
閾値とは、運動強度を上げていくと、ある時点から急に疲労物質である乳酸が体内に蓄積し始めるポイントのことです。
この閾値を超える運動強度で走り続けると、急速に疲労が蓄積し、パフォーマンスが低下してしまいます。
ランナーにとって、この閾値を把握し、閾値付近でのトレーニングを行うことが、パフォーマンス向上に不可欠となります。
閾値トレーニングの目的
閾値トレーニングの主な目的は以下の通りです。
- 乳酸耐性の向上: 閾値付近でのトレーニングを繰り返すことで、乳酸が蓄積しにくい体質へと改善し、より高い運動強度で長時間走り続けられるようになります。
- ミトコンドリアの活性化: 閾値付近でのトレーニングは、細胞内のエネルギー産生器官であるミトコンドリアを活性化させ、エネルギー効率を高めます。
- ランニングエコノミーの向上: 閾値付近でのトレーニングは、ランニングフォームを改善し、エネルギー消費を効率化します。
閾値トレーニングの種類
閾値トレーニングには、様々な種類がありますが、代表的なものを以下にご紹介します。
- ペース走: 閾値付近のペースで一定時間走り続けるトレーニングです。
距離は6000m~12000m程度を、ジョグよりも速いペース、もしくはハーフマラソンを全力で走ったペースでこなすのが目安。 - インターバル走: 閾値付近のペースで一定距離を走り、間に短い休憩を挟むトレーニングです。
400m×10本(間は200mジョグ)、1000m×5本(間は600mジョグ)などを3kmや5kmを全力で走ったペースでこなすのが目安。
閾値トレーニングの効果
閾値トレーニングを継続することで、以下のような効果が期待できます。
- 持久力の向上: より長い距離を走り続けられるようになります。
- スピードアップ: より速いペースで走れるようになります。
- パフォーマンス向上: マラソンや駅伝などのレースで自己ベストを更新できる可能性が高まります。
閾値トレーニングの注意点
閾値トレーニングを行う際は、以下の点に注意しましょう。
- オーバートレーニング: 閾値トレーニングは負荷の高いトレーニングですので、やりすぎるとオーバートレーニングにつながる可能性があります。
- 怪我のリスク: 閾値トレーニングは、身体への負担が大きいため、怪我のリスクも高まります。
- 体調管理: 体調が悪い場合は、無理に行わないようにしましょう。
まとめ
閾値トレーニングは、ランニングパフォーマンスを向上させるための非常に有効なトレーニング方法です。
しかし、効果を得るためには、適切な方法で行う必要があります。
この記事を参考に、自身のレベルに合った閾値トレーニングを取り入れ、パフォーマンス向上を目指しましょう。
もし、閾値トレーニングについてさらに詳しく知りたい場合は、専門家にご相談ください。