ランニングメディア「RADOST Running Club」の視点から、2026年のスタビリティ・カテゴリーにおける技術的転換点となった**「ナイキ ストラクチャー プラス」**を徹底解剖します。
従来の「安定靴=硬くて重い」という概念を覆し、最高級フォーム「ZoomX」を統合したこのモデルは、ランニングシーンにどのような変革をもたらすのか。リサーチデータと実走フィードバックに基づき、その真価を明らかにします。
結論:ストラクチャー プラスは「犠牲のない安定性」を実現した一足
「足を保護したいが、走る楽しさも損ないたくない」というランナーの切実な願いに対する、ナイキの最新の回答がこのシューズです。
- ターゲット:すべての完走目標ランナー、およびシリアスランナーのリカバリー・ジョグ用。
- 最適シーン:LSD(ロング・スロー・ディスタンス)、日々のイージーラン、疲労抜き。
- 一言で言うと:42mmの極厚ソールがもたらす安心感と、ZoomXの弾みが融合した「次世代の巡航機」。
スペック詳細:革新的素材の統合

前作およびライバル機との比較から、その特異性を浮き彫りにします。
| 項目 | ストラクチャー プラス | ストラクチャー 26 | ASICS ゲルカヤノ 31 |
| 主要フォーム | ZoomX / ReactX | ReactX (単層) | FF Blast+ Eco |
| ヒール厚 | 42mm | 38mm | 40mm |
| ドロップ | 10mm | 10mm | 10mm |
| 重量(27cm) | 約 309g | 約 302g | 約 305g |
| 安定性戦略 | ワイドベース / サイドウォール | 内側高密度フォーム | 4D Guidance System |
パフォーマンス分析:実走データから見える身体感覚
走行ペースや距離に応じた、詳細なインプレッションを整理しました。
1. 接地感とホールド性
足を入れた瞬間、ヒールカップのホールド感が前作より格段に向上していることが確認されました。贅沢に配されたヒールカラーのパッドが、安定感のベースとなっています。

- キロ4:30前後のジョグ: クッションが非常に心地よく機能します。ZoomXのエネルギーリターンが脚の回転を自然に助け、スムーズな巡航が可能です。
- 20km以上のロングラン: 走行後でも足裏へのダメージが驚くほど少なく、翌日に疲労を残しにくい「保護性能」の高さが際立ちます。
2. ペース変化への対応
- キロ3分台の高速域: キロ3分台に入ると、42mmの厚みと重量の影響で**「少しレスポンスが遅れる感覚」**が生じます。爆発的なスピードを求めるよりも、一定のペースを維持する走りに適しています。
3. 環境適応性
雨上がりの濡れた路面でのテストにおいても、グリップ力に不安はありませんでした。前足部のブローンラバーが、ウェットなアスファルトでも確かな接地感を提供します。

独自分析:なぜ「ストラクチャー プラス」は特別なのか?
ZoomXとReactXの多層構造
従来の安定靴は、プラスチックパーツなどの「硬い素材」で足を固定していました。しかし、ストラクチャー プラスは**「密度の異なるフォーム」**で動きを制御します。
上層のZoomXが「柔らかさと反発」を、下層のReactXが「構造的な安定」を担うことで、不自然な矯正感のない、自然なストライドを可能にしています。
ワイドベース設計による転倒抑制
ソール面積を従来より 2~3mm 拡大したことで、高スタック化に伴う不安定さを解消。着地時の圧力が分散され、足首の過度な倒れ込みを物理的・幾何学的に抑制しています。
良い点・気になる点のまとめ
✅ メリット
- 圧倒的な衝撃吸収: 42mmの極厚ソールが筋肉や関節への負担を劇的に軽減。
- 「走る楽しさ」の両立: 安定靴でありながら、ZoomXによるバウンシーな乗り心地を実現。
- 優れた快適性: 厚手のタンとパッドが、長時間の走行でも圧迫感を感じさせない。
⚠️ デメリット・懸念点
- 絶対的な重量感: 約309gという重さは、スピード練習やレース後半で足捌きに重さを感じる要因になり得る。
- レスポンスの限界: レース用スーパーシューズのような鋭いキレは期待できない。
- 気温依存性: 極低温下ではZoomXが硬化する特性があるため、冬場の走り出しは感覚が変わる可能性がある。
まとめ:あなたのシューズラックに加えるべきか?
「ストラクチャー プラス」は、これまでの安定靴の定義を拡張した画期的な一足です。記録を狙うための「矛」ではなく、**怪我のリスクを最小限に抑え、楽しみながら走り続けるための「最強の盾」**と言えるでしょう。
特に、日々の練習で足に疲れを感じているランナーや、フルマラソン完走を目指す初心者にとって、これほど頼もしいパートナーは他にありません。
RADOST Running Club 編集部のアドバイス:
日々のイージーランやリカバリーには「ストラクチャー プラス」、ポイント練習には軽量な「ペガサス プラス」といった使い分けが、2026年の賢いシューズローテーションの最適解です。




