「クッションはしっかり欲しいけど、重いシューズは苦手」——そんなランナーに私が真っ先に勧めてきたのが、HOKA(ホカ)の「クリフトン(Clifton)」シリーズです。
2026年7月1日、その最新作「クリフトン11(Clifton 11)」が発売されました。前作クリフトン10と同じCMEVA(コンプレッション・モールドEVA)ミッドソールを継承しつつ、アッパーとソックライナーを刷新。同時期に上位モデル「クリフトン PRO」も登場し、HOKAが定番モデルを「軽さ・快適さのクリフトン11」と「推進力のクリフトン PRO」に明確に分けてきたのも今回のトピックです。
正直「前作で完成されていたシリーズに、これ以上何を足すのか」と半信半疑になりながら自腹で購入し、実際に走り込みました。
結論から言うと、クリフトン11はミッドソールの乗り心地はそのままに、アッパーの快適さが一段と進化した「軽さと優しさを両立した王道デイリートレーナー」です。 長年の完成度の高さに、足当たりの良さという最後のピースがハマった一足に仕上がっています。
1. HOKA クリフトン11の基本スペックと特徴
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| ミッドソール | コンプレッション・モールドEVA(CMEVA) |
| アッパー | エンジニアードメッシュ |
| ソックライナー | 3Dプリント・オープンセル構造(新設計) |
| スタックハイト | ヒール42mm / フォアフット34mm(メンズ公式値) |
| ドロップ | 8mm |
| 重量 | メンズ約282g(28.0cm)/ ウィメンズ約236g(24.5cm) |
| アウトソール | デュラブレージョンラバー(パーシャルカバレッジ) |
| 幅展開 | レギュラー・ワイド・エクストラワイドの3展開 |
| カテゴリ | ニュートラル(サポートなし) |
| 価格(税込) | 19,800円 |
| 発売日 | 2026年7月1日 |
クリフトン11最大の特徴は、前作から変わらぬCMEVAミッドソールです。スタックハイト(ヒール42mm/フォアフット34mm)とドロップ8mmも据え置きで、HOKAらしい厚底の安心感とMeta-Rocker構造によるスムーズな体重移動はそのまま健在です。
一方で、今作の変更点はアッパーとソックライナーに集中しています。従来のジャカードメッシュから、より柔らかくしなやかなエンジニアードメッシュへ刷新。さらに足裏に触れるソックライナーも3Dプリントのオープンセル構造に一新され、クッション性と速乾性が向上しました。ミッドソールという「土台」はそのままに、足に触れる部分の質感を丁寧に磨き上げてきた印象です。
2. 実際に履いて走ってみたリアルな感想

足を入れた瞬間のファーストインプレッション
箱から出してまず気づいたのは、アッパーの手触りの柔らかさです。クリフトン10のジャカードメッシュと比べても明らかにしなやかで、足を入れた瞬間から圧迫感がありません。新しいソックライナーも効いていて、足裏に吸い付くようなソフトな感触があります。
サイズ感は普段のスニーカーサイズと同じで問題なく、つま先まわりにはHOKAらしい適度なゆとりがあります。標準幅でも窮屈さは感じませんでしたが、幅広の方にはワイド展開が用意されているので安心です。
実際の走行感(クッションと反発)
キロ6分前後のジョグペースでは、CMEVAミッドソールの厚みのある柔らかさが着地の衝撃を丁寧に受け止めてくれます。42mmというスタックハイトを感じさせない安定感があり、Meta-Rocker構造が自然に足を前へ運んでくれる感覚は健在です。
クリフトン10との違いを一番感じたのは、蹴り出しの瞬間の「足当たりの優しさ」です。ミッドソールの反発特性自体はほぼ変わりませんが、アッパーがしなやかに足の動きに追従するぶん、長距離を走ったあとの足の疲労感がわずかに軽減されている印象を受けました。
キロ4分台まで上げると、厚底ゆえの安定感は保ちつつも、レスポンス面での物足りなさは相変わらず感じます。これはクリフトンというモデルの性格であり、スピードよりも快適な巡航を得意とする一足だと再認識しました。
おすすめの適正ペースと用途
- 最適ペース帯:キロ5分30秒〜7分(イージーラン・ジョグ・ロングラン)
- 得意な用途:デイリートレーニング、ロングラン(〜フルマラソン完走ペース)、リカバリーラン、立ち仕事や普段履き
- 苦手な用途:インターバル、レースペース走、サブ3.5クラスのスピード練習
3. ここが最高!クリフトン11の良かった点
- アッパーの快適さが大幅に向上した エンジニアードメッシュへの刷新で、足の動きに柔らかく追従する履き心地になりました。クリフトン10で感じたわずかな硬さが解消され、長時間履いていても圧迫感やこすれを感じにくくなっています。
- 軽さとクッションのバランスが絶妙 280g前後という重量ながら、42mmの厚底クッションをしっかり感じられます。「軽いのにクッションは削らない」というクリフトンシリーズの持ち味が、今作でもきっちり守られています。
- 足裏の快適性が新型ソックライナーで進化 3Dプリントのオープンセルソックライナーは、クッション性と速乾性を両立。汗をかきやすい夏場のロングランでも、足裏のムレやべたつきを感じにくく仕上がっています。
4. 購入前に知っておきたい注意点・微妙だった点
- ミッドソールとスタックハイトはクリフトン10と同一設計 今作の刷新はアッパーとソックライナーが中心で、走行感のコアな部分に劇的な変化はありません。クリフトン10の乗り心地に既に満足している方は、買い替えの優先度は高くないかもしれません。
- スピード域でのレスポンスは控えめ CMEVAミッドソールはクッション性重視のフォームのため、ペースを上げてもエネルギーリターンは強くありません。テンポ走やレースペース走を頻繁に行うなら、クリフトン PROなどより反発性の高いモデルとの使い分けをおすすめします。
- 42mmの厚底ゆえの安定感は好みが分かれる Meta-Rocker構造で走行時の安定感自体は高いものの、厚底特有の接地感に慣れが必要な方もいます。特に不整地や下り坂では、フラットなシューズに比べて足首の使い方に注意が必要です。
5. ライバルシューズとの徹底比較
他社の競合モデルとの比較
| モデル | 重量(メンズ) | ドロップ | ミッドソール | 価格(税込) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| HOKA Clifton 11 | 約282g | 8mm | CMEVA | 19,800円 | 軽量×厚底クッション、安定感重視 |
| Nike Pegasus 42 | 約288〜300g | 10mm | ReactX+フルレングスAir Zoom | 17,600円 | レスポンス重視、汎用性の高い万能型 |
| Saucony Ride 18 | 約260g | 8mm | PWRRUN+ | 約18,700円 | 軽量でレスポンシブ、テンポ走にも対応 |
Clifton 11 vs Nike Pegasus 42:どちらも王道デイリートレーナーですが、性格は対照的です。Pegasus 42はフルレングスAir ZoomとReactXフォームで反発重視、ペースを上げる場面にも強い万能型。Clifton 11はスタックハイトを活かした厚底クッションで、じっくり距離を稼ぎたい人向けです。「弾む感覚が欲しい」ならPegasus 42、「厚みのある柔らかさで足を守りたい」ならClifton 11という選び分けになります。
Clifton 11 vs Saucony Ride 18:重量はRide 18の方がやや軽く、レスポンスも良好です。一方でClifton 11はスタックハイトが厚く、クッション量そのものが多いため、より長い距離やリカバリーランでの安心感に優れます。日々のジョグを主軸にするならClifton 11、テンポ走まで一足でこなしたいならRide 18が向いています。
同メーカーの近いモデルとの比較
| モデル | 位置づけ | スタックハイト/ドロップ | 重量(メンズ) | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|
| Clifton 11 | 軽量デイリートレーナー | 42mm / 8mm | 約282g | 19,800円 |
| Clifton 10 | 旧作(ミッドソール同一) | 42mm / 8mm | 約280g | セール価格で入手可 |
| Clifton PRO | 上位・推進力特化モデル | 42mm / 8mm(PROGLIDE+搭載) | やや重め | 22,000円 |
| Bondi 9 | 最上位クッションモデル | 43mm / 5mm | 約297g | 24,200円 |
Clifton 11 vs Clifton 10:ミッドソール・スタックハイト・ドロップはすべて共通です。クリフトン10の走行感に満足していて、アッパーにも不満がなければ買い替えの必然性は高くありません。ただしアッパーとソックライナーの快適性は明確に向上しているため、クリフトン10のフィット感に物足りなさを感じていた方には十分な進化と言えます。
Clifton 11 vs Clifton PRO:同じスタックハイトを持ちながら、Clifton PROはSCF EVAを使ったPROGLIDE+ミッドソールとアグレッシブなロッカー形状で、より前への推進力を重視した設計です。日常のジョグや疲労を溜めたくないランで使うならClifton 11、ペースを引き上げたい日にも一足で対応したいならClifton PROが向いています。
Clifton 11 vs Bondi 9:Bondi 9はスタックハイトがさらに厚く、ドロップも5mmとフラットで、クッション性を最優先したモデルです。重量もBondi 9の方が重めのため、超ロングランやリカバリー特化ならBondi 9、日々のトレーニングを軽快にこなしたいならClifton 11が適しています。
6. まとめ:クリフトン11はこんなランナーにおすすめ!
クリフトン11は「完成されたシリーズに、最後の仕上げを加えた一足」という表現がぴったりです。ミッドソールの乗り心地はクリフトン10から据え置きながら、アッパーとソックライナーの刷新によって、長時間・長距離での快適性が確実に底上げされました。
こんなランナーに特におすすめです:
- 週3〜5回のジョギングやロングランをコツコツ続けたいランナー
- 軽さとクッション性、どちらも妥協したくないランナー
- 足への負担を抑えながら走りたい初心者・入門者
- キロ5分30秒〜7分台でフルマラソン完走を目指すランナー
- 立ち仕事が多く、普段履きも兼ねられる一足を探している方
厚底なのに軽く、しっかりクッションがありながら足当たりが優しい——クリフトンシリーズが積み重ねてきた「ちょうどいい」バランスに、今作は確かな一歩を加えてくれました。まずは一度、自分の足で試してみてほしい一足です。
7. よくある質問(Q&A)
Q. HOKA クリフトン11のサイズ感はどうですか?
A. クリフトン11のサイズ感は普段のスニーカーサイズ通りで問題ありません。標準幅でもつま先まわりに適度なゆとりがあり、幅広の方にはワイド・エクストラワイドの展開も用意されているため、足幅に不安がある方も安心して選べます。
Q. クリフトン11はフルマラソンで使えますか?
A. はい、クリフトン11はフルマラソン完走ペースまで十分対応できます。ヒール42mmの厚みあるCMEVAミッドソールが長時間走行での足への負担を軽減し、キロ5分30秒〜7分台のペースであれば42kmを通じて安定した乗り心地を提供してくれます。
Q. クリフトン11は初心者に向いていますか?
A. はい、クリフトン11は初心者に非常に適したシューズです。ニュートラルな厚底クッションとMeta-Rocker構造が自然な足運びをサポートし、軽量なため走り始めの段階でも扱いやすいのが特徴です。
Q. クリフトン11とクリフトン10、どちらを選ぶべきですか?
A. 走行感重視ならどちらもほぼ同等ですが、履き心地の快適性を求めるならクリフトン11がおすすめです。ミッドソールは共通設計のため、クリフトン10がセール価格で入手できるならコスパ重視でそちらも十分良い選択です。
Q. クリフトン11とクリフトン PRO、どちらを選ぶべきですか?
A. 日常のジョグや疲労を抑えたい走りにはクリフトン11、ペースアップも視野に入れるならクリフトン PROがおすすめです。両モデルはスタックハイトが共通ですが、PROはPROGLIDE+ミッドソールで推進力を重視した設計になっています。
Q. クリフトン11は幅広・甲高の足でも履けますか?
A. クリフトン11はレギュラー・ワイド・エクストラワイドの3幅展開があり、幅広の足でも選びやすいモデルです。甲が高い場合は、エンジニアードメッシュアッパーが伸縮性に優れているため試し履きのうえ通常サイズから検討してください。
Q. クリフトン11の洗い方を教えてください。
A. クリフトン11は、ぬるま湯と中性洗剤を使った手洗いが推奨です。洗濯機や乾燥機の使用はアッパーの型崩れや接着剤の劣化を招くため避けてください。汚れが目立つ場合はシューブラシで軽くこすり、風通しの良い日陰で自然乾燥させましょう。


