長距離用スパイクって選ぶの難しいですよね?この記事ではRADOSTランニングコーチの石川がどのような視点で長距離用のスパイクを選んだらよいのか、ポイントを解説します。
中長距離選手にスパイクは必要か
800m、1500mはスピードが求められるため、順位や記録を狙うのであればスパイクは必須です。3000mSCについては、スパイクでない濡れた靴で障害に足を乗せると滑って危険なため、必ずスパイクを履いてレースに出てください。
3000mより長い距離にに関しては好みによります。スパイクは体への負担が大きく、特にふくらはぎへのダメージが大きいです。初心者の選手は後半の失速の原因になります。また、スパイクは一定のスピードを出さないと恩恵を受けずらいです。接地時間が長くベタベタした走りでは悪循環に陥る可能性があります。1kmあたり3分30秒以内で安定したペースでレースを走れるのであればスパイクを履いて記録や順位を狙った方がいいでしょう。
近年はシューズのソールの厚さ規定により、スパイク以外のほとんどのシューズが使用できなくなりました。そのため、スパイクを選ぶしかないというのも事実です。
スパイクを見る視点
アウトソール
アウトソールとはピンがついている靴底の表面になります。スパイクの場合は硬い樹脂にスパイクのピンがついている場合が多いですが、長距離用の商品は通常のランニングシューズのようなラバー(ゴム素材)にピンがついている場合もあります。
硬い樹脂のアウトソールは凹凸があり、ゴツゴツした見た目です。しっかりと地面を捉えて力強く蹴りだすことができますが、身体にも負担が大きく、初心者や調子が良くないときは大きな失速を生む可能性もあります。

一方でラバーソールや柔らかい樹脂のスパイクは、ランニングシューズで走っているような接地感で走れます。長く走っても体への負担が少ないですが、スパイクならではのガツンッと跳ね返ってくるような反発はありません。

どのようなアウトソールを選ぶかは好みによりますが、800m、1500mがメインの選手は硬めでしっかりとしたアウトソール、3000m以上がメインの選手は柔らかく自然に設置できるアウトソールを選びましょう。
長距離用スパイクのミッドソール
ミッドソールとは靴底のクッションの部分です。クッション性と反発性が備わった厚底シューズが話題になってから数年たちましたが、今ではその機能がスパイクにも備わるようになりました。特に3000m以上の長い距離では厚めのミッドソールを選ぶのもいいでしょう。
また、プレートが搭載されているシューズは強い反発を生み、スピードを出すことができますが、足への負担も大きいため、ある程度の筋力がないと後半の失速につながることや、故障のが高まります。
長距離用スパイクのアッパー
アッパーとは足の甲全体を覆っている部分です。伸縮性、通気性など、シューズによって様々な特徴があります。
伸縮性があるものは足にフィットして長時間走っていても違和感なくはしることができますが、力が逃げてしまい、スピードを出しにくい場合もあります。
伸縮性がないものはしっかりと足が固定されるため、力強く地面を蹴る感覚をえられます。しかしながら長時間走っていると靴擦れや疲れを感じるようになります。
3000SCでは通気性が重要になります。通気性が悪いと水濠で靴が濡れ、重くなり、走りにくくなります。
まとめ
長距離用スパイクは年々進化をしており、特にミッドソールは各社がクッション性と反発性を兼ね備えた素材を採用しています。シューズによって特徴がありますので、自分にあったシューズを選びましょう!