2026年、マックスクッション(厚底)シューズ市場は成熟期を迎えました。その中で、アシックスの象徴である「GEL-NIMBUS」が第28代へと進化。前作で完成された「圧倒的なクッション」を維持しつつ、最大の弱点であった「重量」を克服した本作は、まさにアシックスの「カイゼン(改善)」の到達点といえる仕上がりです。
実際にどのような進化を遂げ、どのようなランナーに合うのか、技術的・生体力学的視点から徹底解説します。
1. 最大の進化点:クッションを削らず「20g」を削ぎ落とした
GEL-NIMBUS 28の最大のトピックは、前作比で約20g(メンズモデルで約281g)という大幅な軽量化に成功したことです。
- 軽量化の魔法: アウトソール構造の見直し、アッパー素材の刷新、ヒールデザインの簡素化など、パーツ単位の微細な再設計の積み重ね。
- メリット: フルマラソン後半の脚の引き上げが楽になり、ランニングエコノミーの向上が期待できます。
2. 走行感:バウンドではなく「究極の衝撃吸収」
本作のライド感は、一言で言えば**「制御された柔らかさ」**です。
ミッドソールの二重奏
- PureGEL™: 踵の下に配置された内蔵型GEL。従来のGELより65%柔らかく、着地時の不快な衝撃を「熱エネルギー」として逃がします。
- FF BLAST™ PLUS: 軽量で環境に配慮したバイオマス素材を配合。エネルギーリターン(反発性)は約44.2%と控えめですが、その分、地面の凹凸を感じさせない静粛な乗り心地を実現しています。
【専門家の視点】
反発力で跳ねる「Superblast」のような性格とは異なり、衝撃を「無効化」することに特化したチューニング。膝や腰への不安を抱えるランナーにとって、これ以上の安心感はありません。
3. 技術仕様(スペック表)
| 項目 | 仕様詳細 | 特徴 |
| 重量 (メンズ) | 約 281 g | 前作から大幅軽量化 |
| スタックハイト | 43.5 mm (ヒール) | 40mm超の極厚ソール |
| ドロップ | 8 mm | 扱いやすい標準的なオフセット |
| アッパー | エンジニアードニット | 靴下のような高いフィット感 |
| アウトソール | HYBRID ASICSGRIP™ | 濡れた路面でも滑りにくい |
4. 競合モデルとの比較:どれを選ぶべきか?
ライバル製品と比較することで、NIMBUS 28の立ち位置を明確にします。
- vs New Balance Fresh Foam X 1080 v14
- 1080: よりマシュマロのような「ルーズな柔らかさ」。ウォーキング等、普段履きとの共用も。
- NIMBUS 28: 柔らかさの中に一本「芯」がある。長距離走行時の足首の安定感で勝る。
- vs Brooks Glycerin 23
- Glycerin: 窒素注入フォームによる「弾む」感覚が強い。
- NIMBUS 28: 弾みよりも「吸収」重視。地面を滑るように走りたい方向け。
5. 購入前に知っておくべき「注意点」
完璧に見えるNIMBUS 28ですが、サイズ選びには注意が必要です。
- トウボックス(つま先)のタイトさ: ラボデータによると、つま先の高さが22.7mmと、平均的なシューズより低く設計されています。ニット素材の伸縮性は高いものの、**「小指側の圧迫感(Pinky toe rub)」**を指摘する声もあります。
- 推奨アクション: 足幅が広い方や、厚手のソックスを履く方は、「ワイドモデル」の選択またはハーフサイズアップを強くおすすめします。
6. 結論:こんなランナーにおすすめ
ASICS GEL-NIMBUS 28は、「スピード」よりも「ランニングの質と保護」を求める方にとって、2026年現在で最高の選択肢の一つです。
おすすめしたい方:
- リカバリー走を重視するエリート: 強度練習の翌日、脚を労りたい時に。
- 完走を目指すビギナー: フルマラソン4〜6時間台を目指し、最後まで脚を残したい方に。
- 膝・腰に不安がある方: 関節へのインパクトを最小限に抑えたい方に。



