デサントが世界記録水準(2時間5分台)をターゲットに開発し、満を持して投入したフラッグシップモデル**「DELTAPRO EXP V3(デルタプロ イーエックスピー ブイスリー)」**。
提供された膨大な技術レポートに基づき、このシューズがなぜ「スーパーシューズ市場のゲームチェンジャー」になり得るのか、その性能と履き心地を徹底レビューします。
1. スペック:世界と戦うための「勝てる」パッケージ
まずは基本スペックを確認します。前作V2からの進化は、もはや「別物」と言えるレベルに達しています。
| 項目 | 詳細スペック |
| ミッドソール | PEBAフォーム(高反発・超軽量ポリエーテルブロックアミド)2層構造 |
| プレート | 4分割フォーク型カーボンプレート |
| アウトソール | 1.5mm厚 CPUラバー(肉抜き加工) |
| アッパー | エンジニアードメッシュ(ミニマルデザイン) |
| 重量 | V2(209g)よりさらなる軽量化を追求 |
| 価格 | 29,700円(税込) |
| ターゲット | エリートランナー、サブ3を目指すシリアスランナー |
2. テクノロジーの核:フォーク型プレートとPEBAの融合
「DELTAPRO EXP V3」の最大の特徴は、韓国・釜山の研究開発拠点「DISC BUSAN」で磨き上げられた独自の内部構造にあります。
独自の「フォーク型カーボンプレート」
一般的な1枚板のカーボンプレートとは異なり、前足部が4本に分かれた**「フォーク形状」**を採用しています。これには明確な2つのメリットがあります。
- 路面適応性: 足の動きに合わせてプレートの「枝」が独立して動くため、着地位置が多少ズレても最適な反発を得られます。
- パワー伝達: 最も力がかかる人差し指ラインの剛性を高めることで、蹴り出しのエネルギーを100%推進力に変換します。
2層のPEBAフォーム
ミッドソールには、航空宇宙産業レベルの素材であるPEBAを採用。
- 上層: 衝撃を吸収し、足裏への負担を軽減。
- 下層: プレートの反発を路面へ伝え、爆発的な推進力を生む。また、内側を隆起させた**「アンチ・コラプス構造」**により、疲労時に足が内側へ倒れ込むのを防ぐ工夫が施されています。
3. 履き心地:トップアスリートが驚いた「優しさと一体感」
旭化成の山本歩夢選手が**「強烈な締め付けがなく、足に優しい」**と評した通り、その履き心地は極めて快適です。
- フィット感: エンジニアードメッシュが足を柔らかく包み込みます。レーシングシューズ特有の「窮屈さ」が少なく、長時間の走行でもストレスを感じにくい設計です。
- カカトのホールド: 内側に配置された立体パッドが、厚底シューズ特有の「カカト抜け」を徹底的に防止。高速走行時でも足とシューズが一体化する感覚が得られます。
4. 走行感(ライド感):未知の反発と後半の安定性
実際にこのシューズで走った際、ランナーはどのような感覚を覚えるのでしょうか。
一歩目から感じる「衝撃的な反発」
中西大翔選手が**「これほどの反発は初めて」**と語るように、PEBAフォームとフォーク型プレートの相乗効果は強烈です。軽く地面を叩くだけで、バネのように体が前へ押し出されます。
「ミス」を許容してくれる安定性
多くのスーパーシューズは「完璧なフォーム」を求めますが、V3は違います。
- スイートスポットの広さ: フォーク型プレートのおかげで、フォアフットだけでなくミッドフット気味の着地になっても、安定して反発を受け取れます。
- レース後半の味方: 30km以降、フォームが崩れてきた場面でも、アンチ・コラプス構造が着地のブレを補正。最後まで「脚を残せる」感覚をランナーに与えてくれます。
5. 総評:どんなランナーにおすすめか?
デサント DELTAPRO EXP V3は、単なる「速い靴」ではなく、**「速さをコントロールし、最後まで維持できる靴」**です。
このシューズが向いている人
- 自己ベスト更新を狙うサブ3以上のシリアスランナー
- 既存のカーボンシューズ(Nike等)で後半に足が売り切れてしまう人
- 高い反発力は欲しいが、安定感やフィット感も妥協したくない人
2025年のJTBCソウルマラソンで2時間5分32秒という驚異的なタイムを叩き出し、その実力はすでに証明されています。デサントが世界に放つこの「青い衝撃(またはパープルの閃光)」は、あなたのマラソン人生を塗り替える一足になるかもしれません。




